中国語の習得にはどれくらいかかるか

中国語を勉強するにあたって、ある程度の目安を知りたいという方もいらっしゃると思います。
そういった方のために、ここでは以下の順でお話をします。
ぜひ参考にしてください。


中国語の習得程度は学習時間に比例する

中国語の習得程度は、中国語に触れた時間に比例します。
特にリスニングは顕著に差が出ます。

日本人は漢字を知っている分、読み書きの能力が先行しやすいのですが、リスニングの練習を怠るケースが多く、知識の量に追い付かず悩む方をよく見かけます。
もしそうなった場合は、一旦レベルを落としてリスニング練習を行う事をお勧めします。
日本人の場合は特に、リスニングの能力を上げる際は、知識としての言葉を覚えるよりも何倍も時間がかかると考えた方がよいでしょう。

単語・文法をどれくらい知っているかが重要

中国語を身につけるには、発音・単語・文法の勉強を行います。
新しい知識をどんどん吸収し積極的に使用していく方は例え中国に行く機会がなかなか得られなかったとしても、レベルは着実に上がっていきます

逆にどんなに長い時間中国語に触れていても、知識量が増えなければレベルは上がりません。
またリスニングは耳と脳が慣れないと、知っている言葉すら理解できないという現象が起きるので注意が必要です

「中国に留学すれば覚える」は間違い

留学をすれば日本では得られない貴重な体験をすることは間違いありません。
中にはわずかな期間で急速に伸びていく方もいます。
しかし逆に中国在住歴7年という方でも、初級レベルのままという事もあります。

何が差を分けるのかというと、前者は現地で勉強(インプット)と中国語での交流(アウトプット)を行いますが、後者は日本人のコミュニティ(留学生宿舎内にいる日本人仲間、駐在員やその家族で構成される日本人村、〇〇県民会等)にどっぷり浸かり中国語をあまり使用しなくても生活できる環境にいる場合が多いです。
ちなみに「7年」という数字を出したのは、私が実際に出会った人々のお話だからです。

レベルが上がったと実感する瞬間

中国語を勉強していると、自分のレベルが上がったと実感する瞬間があります。
読めなかった文章が読めたり、聞き取れなかった言葉が聞き取れるようになった時や、自分の中国語が相手に通じた時などがそうで、急にスラスラと行けたと感じるタイミングがあります。

私の体験では、最初の頃は単語を大体500語覚える毎にハッキリとレベルが上がったという実感がありました。この感覚は大体3,000~3,500語あたりまで感じる事ができましたが、それ以降は中々実感がわきませんでした。
なぜ実感がわかなかったのか、その理由がよく分からず悶々としていた時期が結構長く続きました。
実は単純な理由だったのですが、データを見ながら次の項目でお話します。

データで見る学習の目安

ここでは 中国語検定 で公開しているデータをお借りしています。
なお現在は公開されていない情報もあるので、その部分については過去の情報(かなり古いですが)を参考にしています。

前の項目で、3,000~3,500語程度まではレベルが上がった実感が得られたものの、それ以降は緩やかにしか実感を得られなかったと書きました。
その理由をお伝えしますが、その前にまずは下の表をご覧ください。


中国語検定
準4級学習程度基礎単語約500、日常挨拶語訳80
学習を進めていくうえでの基礎的知識を身につけていること。
学習時間一般大学の第二外国語において半年以上(60~120時間程度)
4級学習程度常用語約1,000から
平易な中国語を聞き、話すことができること。
学習時間一般大学の第二外国語にて一年以上の学習程度(120~200時間程度)
3級学習程度常用語約2,000から
基本的な文章を読み、書くことができる事。簡単な日常会話ができる事。
学習時間一般大学の第二外国語にて二年以上の学習程度(200~300時間程度)
2級学習程度単語数の記載なし(昔は常用語約3,000からと言われていました)
複文を含むやや高度な中国語の文章を読み、3級程度の文章を書くことができる事。日常的な話題での会話が行える事。
学習時間記載なし
準1級学習程度実務に即従事しうる能力の保証(全般的事項のマスター)
社会生活に必要な中国語を基本的に習得し、通常の文章の中国語訳・日本語訳、簡単な通訳ができること。
学習時間記載なし
1級学習程度高いレベルで中国語を駆使しうる能力の保証
高度な読解力・表現力を有し、複雑な中国語及び日本語 (挨拶、講演、会議、会談等)の翻訳・通訳ができること。
学習時間記載なし

3,000~3,500語程度ですと、中国語検定2級の最低ラインに相当します。
このレベルは「日常的な話題での会話が行えること」 とあり、ここまでは主に日常生活でよく使われる言葉を学んでいることが分かります。

ちなみに、検定試験はもちろん、教科書を作成する際には、日常生活・社会生活における単語の使用頻度をランク付けしており、学習者にとって最も効率的な学習ができるように配慮されています。

つまり、最初の内は使用頻度の高い言葉を優先的に覚えるため、勉強した分だけどんどん自分のレベルがあがっているという実感がわきやすいのです。

そしてレベルが上がるにつれて書き言葉や、類義語などが増えていき、学習者により幅広い表現力を持ってもらえるように工夫されているのですが、すでに知っている簡単な言葉に置き換えができる場合がある(例:訪問する→行く)ため、使い慣れた言葉を使用しやすく、新しく覚えた言葉の使用頻度が低くなりがちです。
そうなると、自分の表現力が増していることに気づかなかったり、あるいは知識としては持っていてもうまく言葉を使いこなせず伸び悩みを感じるようになります(中級の壁)。


ところで、中国語検定2級レベルになるにはどれくらい時間がかかるでしょうか?
月に100個ずつ単語を覚えれば、2年半程度で最低ラインに到達するでしょうか?
例え順調に単語数を増やせたとしても、問題になるのはリスニングのはずです。

実は中国語検定のリスニング試験は結構ゆっくりと2回ずつ問題が流れるので、上の表の勉強時間でもなんとかなるかもしれませんが、実際には中国人の早い口調に対応するのは難しいです。
中国人の言葉を聞き取れるようになるには、上記の倍程度のリスニング練習が必要と思っておいた方が良いです。
ですから、中国語学習に専念できる状況である場合を除いて、多くの方はもっと時間がかかると思います。

中国語を聞いてすぐに反応できるようになるには訓練が必要で、一番良いのは中国語で受け答えする、会話可能で修正もしてもらえる環境を持つことです。

日本人は漢字を知っている分、スタートダッシュは素晴らしいのですが、どんなに単語や文法をハイスピードで覚えても、聞き取れないという悩みが出てくる事が多いです。
その原因はここをおろそかにしているからです。



余談:中国語の3,000語レベルとは?

この記事では3,000語という言葉が何度か出てきましたが、このレベルは残念ながら最低限の日常会話力程度であり、自分が相手に伝えたいことの半分も表現できません。

例えば、中国人に「お腹すいたね。何か食べようか?」と聞かれた際に、あなたには食べたいものがあり、それがよく知られる料理であれば簡単に伝えられると思います。

しかし「(自分は知らない)B級ご当地グルメが食べたい」と思ったらどうなるでしょうか。
恐らく「B級ご当地グルメ」を中国語でどう表現するのか悩み、結果としてただ「美味しいものが食べたい」としか答えられない可能性が高いです。


このように、言語の習得は決して楽なものではありませんが、あなたが努力した分、レベルは上がっていき『自分の言葉が通じる』『相手の言葉が分かる』という喜びと感動を味わうことができるでしょう。

当教室には小学生からご高齢の方まで、幅広い世代の方々が受講されています。
もしよろしければ、あなたも一緒に私たちと中国語の勉強をしませんか?

あなたのやる気をいつも応援しています。

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