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総叙

zǒng xù
总叙

dì zǐ guī shèng rén xùn shǒu xiào tì cì jǐn xìn
弟子规,圣人训,首孝悌,次谨信。
fàn ài zhòng ér qīn rén yǒu yú lì zé xué wén
泛爱众,而亲仁,有余力,则学文。


日本語の意味

『总叙』では最初に総括を述べています。日本語の意味(大意)としては以下の通りです。

『弟子規』は学生の生活規範と、古代の聖賢(孔子)の訓戒を編集したものである。
まずは日常生活の中で親孝行をし、年長者を敬い、兄弟姉妹と仲良くしなさい。
次に物事を行う際には、責任感を持って注意深く行いなさい。そして信用を重んじ、慎み深く、言動に気をつけ、誠実でありなさい。
周囲の人々に対しては、平等かつ博愛の心を持って接するようにしなさい。
友達付き合いに関しては、道徳心があり品行の良い人に自発的に近づいて交流するようにしなさい。
もしその上さらに時間と余力があれば、多くの本を読み、技術・芸術などの勉強をしなさい。

解説

『弟子規』は儒教の教えをもとに書かれたもので、家庭における道徳教育に重点がおかれているのが特徴です。

家庭教育は一人の人間の性格や意思、情操はもちろん、人生観、世界観などに影響するほか、その後の人生における物事の選択基準や行動にまで影響を及ぼします。
そのため、家庭教育をおろそかにしてしまうと、学校でどれほど優秀な成績を修め、社会で活躍していても、人から嫌われてしまったり、身を滅ぼすようなことも起こしてしまいます。

親はだれでも子供が幸せであってほしいと願うものです。
そして子供が幸せであり、喜んでいる姿を見て自分も嬉しくなります。

しかし、人が家庭で受けている教育内容(あるいは教育目的や趣旨そのもの)はそれぞれ異なり、また社会から悪い影響を受ければ、感化されて悪人にもなりえます。

もし自分の子供が悪人になってしまったらどうでしょうか。
悪人になった子供をみて嬉しいと思う親はいないはずです。
子供が悪いことをすれば本人はもちろん、親も良心の呵責(かしゃく)を感じるようになり、ともに不幸になってしまいます。

こうして見ると、人間の本当の幸せは地位・名誉・財産の程度や社会的に成功しているかどうかよりも、その人の良心が喜びを感じているか、あるいは呵責を感じているかどうかで決まるといっても過言ではないと思います。
そして良心的に生きるためには、やはり道徳教育が必要なのではないでしょうか。

ここでは、技術・芸術などの能力の向上よりも、まずは道徳教育が優先されると説いており、『弟子規』全体の内容としては、家庭の中では孝子、家庭の外では忠臣、聖人となるよう指導方針を示しています。

もちろん一足飛びにそのような人間になるのは無理だと思います。
そこで『弟子規』の一番最後にはこう書かれています。


wù zì bào wù zì qì shèng yǔ xián kě xún zhì
勿自暴,勿自弃,圣与贤,可驯致


この言葉の意味は、「自分には無理だと言ってあきらめることはない。聖賢の域に達するのは難しいが、少しずつその域に近づき、到達するのである」ということです。

ここではスタートラインについては触れていません。
今の自分がどうであれ、努力していけば、少しずつ変わっていけると書かれています。
聖賢の教えを学び実践する事を通して、幸福な人生を歩んでいきたいですね。



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